今週のお題「読書の秋」
初めて書く「今週のお題」。
家事と育児で忙しいと言いつつ、週1度は図書館に足を運んでいる私です。
図書館通いをするようになって初めて出会って、何冊も読んだのが垣谷美雨さん!
図書館で角田光代さんの本を探していて、たまたま隣に並んでいたのが垣谷さんの本でした。
今回は、垣谷美雨さんの著作の中から、私のオススメ3冊をご紹介したいと思います。
私のマイホーム欲しい病を一気に冷ました『ニュータウンは黄昏れて』
バブル崩壊直前に分譲の団地を購入した頼子一家は、住宅ローンの返済に四苦八苦しています。
一人娘も学生ローンで大学を出たものの、就職難でフリーターをしている状態。
そんな中で、娘に超がつくお金持ちの彼氏ができたことから話が始まります。
私、この本を読むまで、転勤族にも関わらずとにかく「家」が欲しかったのです。
乗り気ではない夫を連れて、新築分譲マンションのモデルルームを見に行ったこともあります。
が、この本を読んで少し気持ちが落ち着きました。
というのも、マンションの劣化や住民の高齢化、団地の寄り合いの大変さなど、さまざまな困難さがここには描かれているからです。
改修工事などを行うときに、住民みんなで足並みを揃えることはとても難しいと感じました。
少しミステリー的な要素もありテンポが良く、私が垣谷さんにハマったきっかけとなった1冊です。
女性たちの力強さに胸を打たれる『女たちの避難所』
こちらの作品は、東日本大震災で津波の被害にあった地域にある避難所をモデルに書かれたものです。
垣谷さん自身がかなり取材をされたそうで、内容はとてもリアルでしかもつらいです。
序盤の登場人物たちが九死に一生を得たところは息を呑むほど、情景が浮かんできます。
そして、その後の避難生活では、旧来の慣習に則って男尊女卑の共同生活を要求する高齢男性たちに、本当にイライラさせられます。
私は幼い子どもがいるので、人目を気にしながら授乳をしなければならない遠乃に感情移入しました。
最後はスカッとするので、特に女性にオススメしたい本です。
タバコを吸ったことはないけれど面白かった『禁煙小説』
世の中が禁煙を奨励する流れの中、なかなかタバコをやめられない40代の女性が、一念発起して禁煙外来を訪れるところからストーリーは始まります。
私はタバコを吸ったことがないしタバコの煙は苦手なので、禁煙や分煙はとてもありがたいと思っています。
けれども、この急な世の中の流れって、ずいぶん前から喫煙していたタバコ愛好家たちはつらいのだろうなと感じました。
主人公一家の関係性が素敵なので、本題とは関係ないのかもしれませんが、特に気に入っています。
まとめ
垣谷美雨さんの作品はどれも情景描写が素晴らしくて、いつも物語の世界に引き込まれてしまいます。
きっと図書館に通っていなかったら出会っていなかった作家さんなので、図書館様様です!
まだまだ読んでいない作品もあるので、これから暇を見つけて垣谷ワールドに浸りたいと思います。