転勤妻プージャの日記

夫は転勤族。子ども3人を育てながら東へ西へ引越しをしていく様子を綴ります。

映画「82年生まれ、キム・ジヨン」を観た。同世代の私が女性の生き方について考えてみた。

今週のお題「自分にご褒美」

先日1人で映画を観てきました。
これは今年最後の自分へのご褒美かもしれません。
観てきたのは「82年生まれ、キム・ジヨン」という韓国映画です。
同名の小説も話題になったので、ご存じの方も多いかもしれません。

私はキム・ジヨンと同世代です。
すごく共感する部分と日本との違いを感じた部分がありました。
そして、「女性の生き方」みたいなものを改めて考えるきっかけになったので、私が思ったことをつらつらと書きたいと思います。
(著名な方も多く感想や考察を書いていますが、あえて何も読まずに私が勝手に思ったことを書かせていただきます)

「82年生まれ、キム・ジヨン」のあらすじ

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1982年4月生まれのキム・ジヨンは、2歳の娘を育児中の専業主婦。
家事や育児を手伝ってくれる優しい夫と3人でソウル市内のマンションに、何不自由なく暮らしているように見えます。
少しやつれているけれど、2歳の子持ち母としては普通?という感じ。
だが、夫はジヨンが時々憑依したようにまったく別人になる様子を目撃します。
なぜ、ジヨンは壊れてしまったのでしょうか?

日本で公開された予告編はこちらで見られます。

『82年生まれ、キム・ジヨン』予告 10月9日(金)より 新宿ピカデリー他 全国ロードショー

映画を観終わっての感想

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映画を観終わって真っ先に思ったことは、「私はよく普通でいられているな」でした。
(ここからネタバレになってしまうかもしれないので、これから映画を観たいと思っている方はお気をつけください。)

ジヨンは娘をかわいいと思っているのに、なぜだか閉塞感を感じてよくため息をつきます。
そして、時々別人格に憑依されているような状態になるのです。

彼女が壊れていく合間に、彼女が幼いころや若いころの回想が出てきます。
威張っている父。
自己犠牲をして家族のために尽くす母。
姉と自分とは違う好待遇でかわいがられている弟。

変質者に付きまとわれて怖い思いをし、「スカートが短いからだ」と、なぜか被害者の自分が叱られたり。
結婚したら義両親から早く子どもを産めと言われたり。

まったく同じではないけれど、私も似たような経験をしてきました。
私は鈍感な人間だったから、違和感を持たなかったのだと思います。
だから、今まで壊れずに生きてこれたのかもしれません。
けれども、客観的に見ると、これは「女性じゃなかったらしなくて済んだ嫌な思いなのでは?」と、思えてきます。

自分では甘んじて受け入れていた事柄でも、「もしこれが娘に起きたことだったら?」と、考えると怒りがこみ上げます。
ということは、私も怒ってよいことをされてきたんだと気づいたのです。

これは韓国だけの問題?日本と似ているところ・違うところ

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男性が優遇されることや家事や子育ては女性の仕事と思われていることについて、日本でも「キム・ジヨン」の世界と同じだと思いながら観ていました。
一方で、日本のほうがまだマシかもと思うことや、日本だったらもっとひどいと思えたこともありました。

日本のほうがマシかもと思ったこと

映画の中に、「やっぱり男の子を産んだほうが良い」というセリフが出てきました。
保守的な叔母さんが発するセリフなのですが、ジヨンのご両親や父親などもやはり男児優遇を普通としている様子が描かれています。
私自身は息子も娘もいますが、同世代の友人の多くが「娘が欲しいな」と、言っていた気がします。
(もちろん、どちらが生まれても大切に育てるのですが)
かつて日本も跡取り息子を産むことが嫁の務めという雰囲気がありましたが、今はだいぶ薄まっているのではないかと思います。
きっと継ぐものがある家では、男児優位は変わらないのでしょうが。

私自身も弟がいますが、私と弟で買い与えられるものなどに差を付けられた記憶はありません。
けれども、友人のなかには、祖父母の家に帰省すると「これはお兄ちゃん用。こっちはあなたたち」と、兄の前だけに特上の1人前のお寿司が置かれ、それ以外(母と妹たち)は助六寿司などが入った盛り合わせを出されたという話をしてくれた子がいました。
男児優遇を貫いていた家庭もあるんですね。だから、地域差や個体差があるのかもしれません。

韓国のほうが良いなと思ったこと

もしかすると「キム・ジヨン」で描かれていないだけなのかもしれませんが、これが韓国の普通なら羨ましいなと思ったことがあります。
それは、未婚でも未婚でもバリキャリでも、近しい女性たちがみんなジヨンの味方だということです。

日本って、女性が立場によって対立しやすい気がするんです。
うまく言えないのですが、会社などでうまくやろうとして、マジョリティである男性に媚を売ったり自分より弱い女性を攻撃したりする女性がいませんか?
日本だと女性の敵が女性になることが多い気がします。

例えば、ワーママでバリキャリの先輩は「私も大変だったけどこなしたんだから、キャリア欲しければあなたたちもやったら?」みたいな雰囲気を出していることが多いように思います。
一人一人事情は違うのに、できない人は甘えているみたいな雰囲気がとても嫌です。
以前、「輝いているあの人はどんな生活している?」みたいな特集記事を雑誌で読んだのですが、そこに出てくるワーママきらきらモデルさんは毎日睡眠時間4時間とかで、早朝から子どものお弁当作るけど、仕事も抜かりなくみたいな感じで。
女性が心身削ってまで頑張らないといけない世の中が制度がおかしいのだけど、それをロールモデルにしちゃうのに違和感を感じたのです。
でも、それが日本の雰囲気なのかな?とも思います。

「キム・ジヨン」のバリキャリ上司は、自分の仕事スタイルや子育てについて反省があるから、後輩の女性社員にも理解があります。
そこが素敵だなと思いました。
未婚の先輩女性も、ジヨンに対して退職前と変わらず接し、彼女を尊重してくれます。

女性の敵は制度やそれを作った男性社会であって、女性は一致団結する感じが韓国の良いところだと思いました。

まとめ

私は「82年生まれ、キム・ジヨン」を観て、無自覚だったジェンダーについて娘のために考えたいと思いました。
現在3歳の娘は絶賛プリンセス憧れ期。
「王子様と結婚するのよ!」と、いつも言っていますが、私は「王子様いなくても自分で稼いでキラキラを買ったほうが100倍楽しいよ!」と、娘に答えています。
娘はポカーンとしていますが、とにかく娘にも息子にも自分の思うような道を進んでほしいと思っています。
あと、「かわいい」と「自立」は両立することを娘には伝えたいと思います。

少数ではありますが、まだまだ全国の劇場で公開しています!
観ていない方はぜひ劇場に足を運んでみてはいかがでしょうか?